「うちの子、漢字テストでいつも苦戦していて…」そんなお悩みをお持ちの保護者の方は多いのではないでしょうか。
漢字は覚える量が多く、お子さんにとって大きな壁になりがちです。
でも、ちょっとした工夫で、漢字学習は楽しく効果的なものに変わります。
今回は、漢字が苦手なお子さんでも無理なく続けられる学習法をご紹介します。
①なぜ漢字が苦手になるのか
まず、お子さんが漢字を苦手に感じる理由を理解しておきましょう。
多くの場合、「ただ書いて覚える」という単調な練習方法が原因です。
意味も分からず、何度も同じ漢字を書き続けるのは、大人でも苦痛ですよね。
また、一度に覚える量が多すぎることも問題。
テスト前に慌てて詰め込もうとしても、すぐに忘れてしまいます。
漢字学習で大切なのは、「楽しく」「少しずつ」「意味を理解しながら」覚えていくことなのです。
②覚える方法
【方法1】漢字の成り立ちから教える
漢字には、それぞれ意味のある成り立ちがあります。
この「物語」を知ることで、お子さんの記憶に残りやすくなります。
具体的なやり方
たとえば「休」という漢字。
「人が木のそばで休んでいる様子」と説明すると、お子さんの目が輝きます。
「本当だ!人が木にもたれてる!」と気づくと、もう忘れません。
「明」は「日と月で明るい」、「森」は「木が3つで森」、「畑」は「田んぼを火で耕す」など、成り立ちを知ると漢字が生き生きと感じられます。
絵を描きながら説明してあげると、さらに効果的です。
ただの記号だった漢字が、意味のある絵に変わります。
お子さんが「へぇ、そうなんだ!」と興味を持つことで、自然と記憶に定着するのです。
漢字辞典や図鑑を一緒に調べる時間も、親子のコミュニケーションになります。
【方法2】部首カードゲームで遊びながら学ぶ
漢字を部首ごとに分類すると、覚えやすくなります。
これをゲーム感覚で楽しみましょう。
具体的なやり方
カードを作って、部首ごとに漢字を集める神経衰弱ゲームがおすすめです。
たとえば「さんずい」の仲間を集める、「にんべん」の仲間を集めるといった具合。
「海・池・川」は全部さんずい。
「水に関係があるね」と気づかせることで、部首の意味も自然と理解できます。
「休・体・何」はみんなにんべん。
「人に関係する漢字だね」と話し合いながら遊ぶと、楽しく学べます。
遊びながら漢字の共通点を発見できます。
部首の意味を理解すると、初めて見る漢字でも「これはさんずいだから水に関係ありそう」と予測する力がつくのです。
兄弟や友達と一緒にできるのも魅力ですね。
【方法3】漢字しりとりで語彙力アップ
普通のしりとりを、漢字バージョンにアレンジしてみましょう。
具体的なやり方
「学校」→「校長」→「長い」→「石」→「石油」のように、前の言葉の最後の漢字を使って次の言葉を作ります。
最初は1文字だけ合っていればOK。慣れてきたら2文字、3文字とルールを変えていきましょう。
車での移動中や、夕食の後のちょっとした時間に、口頭でやるだけでも効果があります。
お子さんが知っている漢字の範囲で楽しめるのがポイントです。
漢字単体ではなく、言葉として覚えられます。
「この漢字、こんな使い方があるんだ」という発見があり、語彙力も同時に伸びます。
道具も準備も不要で、いつでもどこでもできる手軽さも魅力です。
【方法4】生活の中で漢字を見つける宝探し
日常生活は漢字の宝庫。
お子さんと一緒に「漢字探し」をしてみましょう。
具体的なやり方
スーパーでの買い物中、「今日習った漢字を3つ見つけよう」とミッションを出します。
看板、商品パッケージ、メニュー表など、あらゆる場所に漢字があふれています。
見つけたら「あった!『魚』だ!」と報告してもらい、「よく見つけたね。これは何のパッケージ?」と会話を広げます。
写真を撮って「漢字コレクション」を作るのも楽しいですよ。
漢字が「テストのためのもの」ではなく、「生活に必要なもの」として認識できます。
実際に使われている場面を見ることで、漢字の意味や使い方が自然と身につくのです。
お出かけが学習の場に変わります。
③継続のコツ:小さな成功を積み重ねる
どんな学習法も、続けなければ効果は出ません。
継続のコツは、「小さく始める」こと。
1日1つの漢字、1日5分だけ、それで十分です。
毎日続けられたら、カレンダーにシールを貼ったり、チェックをつけたりして、「見える化」しましょう。
連続記録が伸びると、お子さん自身が「続けたい」と思うようになります。
そして何より大切なのは、結果だけでなく努力を認めること。
テストで100点でなくても、「昨日より2問多く書けたね」「この漢字、ちゃんと覚えていたね」と、具体的に褒めてあげてください。
④保護者の方へ
漢字学習は、一朝一夕にはいきません。
でも、今日ご紹介した方法を1つでも試していただければ、きっと変化が見えてくるはずです。
お子さんが漢字を「苦痛なもの」から「面白いもの」と感じられるよう、楽しい雰囲気づくりを心がけてください。
一緒に笑いながら学ぶ時間が、お子さんの漢字力だけでなく、学ぶ楽しさそのものを育てていきます。
焦らず、楽しく、少しずつ。その積み重ねが、お子さんの確かな力になっていくのです。